K医院の計画地である奈良県桜井市は、縄文・弥生・古墳時代の遺跡が数多く残る地域で大和朝廷の中心的な場所であったと考えられ、後には大化の改新の舞台となった場所でもあり、数多くの歴史遺産が残されています。
市内の広い範囲が埋蔵文化財包蔵地に指定されており、今回の敷地も指定地域内にあります。
建物の基礎が埋蔵文化財を含む地層に抵触する場合は発掘調査が必要で、それには多大な費用負担と調査期間かかるため極力避けるべく計画を進めなくてはなりません。
桜井市の文化財課によると、近隣の調査実績では現況の田畑は30~40cm掘れば埋蔵文化財を含む地層に当たるとのことですが、もちろん掘ってみないとわかりません。
できるだけ基礎を浅く扁平にするよう構造設計を行っていますが、実際に発掘調査が必要かどうかの判断は届出を行った上で県の担当部署が行うため、それまで計画のスケジュールが立たないという困った事態。
そこで桜井市の文化財課の方に相談した結果、市の方で試掘を行い、どの程度の深さに埋蔵文化財を含む地層があるかを確認してくれることになりました。